弁護士インタビュー
弁護士法人オーシャン京都オフィスに勤務する金井弁護士を紹介します。
本人は四国出身、奥様は京都で学生時代を送られたことから、京都への親近感があったそうで、京都オフィス開設に伴い赴任しました。
弁護士金井 慎吾Shingo Kanai
01.子ども時代から
司法試験合格まで
- 小さい頃は、どういう子どもでしたか?
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姉がいる二人姉弟で育ちました。
小学生までは良い子だったそうですが、中学生になると自我が芽生えて「ちゃんとしないといけない」ということに対して反発していたようです。
- 中学校はどちらに?
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徳島県の国立附属中学に通っていました。しっかりした先生が多く、厳しかったですね。
自分は問題行動を起こしたことはないと思っていますが、あまり先生の言うことは聞かない生徒でした。
さすがに段々と落ち着きましたけど。
- 司法試験を目指した理由や転機について教えてください
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大学では法学部に入ったのですが、司法試験を目指す同期もいること、またロースクールが設立された時期だったこともあり、自分も目指してみようかなと思ったのがきっかけです。
合格したのは2012年です。
02.弁護士になった当初について
- 合格後はどう過ごしていましたか?
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同じタイミングで司法試験に合格したアルバイト仲間がいたのですが、彼が内定を得た弁護士事務所がオーシャン法律事務所(弁護士法人オーシャンの前進)でした。
司法修習期間を1年過ごした後、行き先を考えていた私を誘ってくれて、入所するに至りました。
- その事務所では、どのような業務をしていましたか?
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代表の髙橋孝志先生(現 弁護士法人オーシャン顧問)が代表を務める事務所で、交通事故や生命保険の支払査定などが主な案件の事務所でした。
髙橋先生、一期上の弁護士、私のバイト先の同期と私の4名体制で業務にあたりました。なお、その後、髙橋先生の息子さんも入所されました。
初めは何も分からない中で、数をこなしていき、そこから知識と経験を得ました。
髙橋先生からは書面の書き方や法律知識をOJTに近い形で教えていただき、自分が担当する案件については対応方針を絶えず相談し、先生の考え方を伺いつつアプローチを固めていくことを繰り返す中で、弁護士としての力がついてきたように思います。
- 髙橋先生が師匠のような存在なのでしょうね
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そうですね。ご自身の息子さんと私も年齢が近く、他所の子どもを預かるのだから一人前に育てないと、という気持ちを感じていました。感謝しています。
常に直接指導いただき、押し付けられる指導法でもなく、私が疑問に感じたことを持っていくと親切に教えてくださる。そういったアプローチで指導を受けていました。
03.専門分野について
- 主にどのような案件に携わっていたのでしょうか?
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交通事故では事故被害者の後遺障害認定の申請や損害賠償請求を行うことが多く、生命保険の支払査定では、約款の解釈や事実認定で揉めそうな事案に対して法的観点から助言することが多かったです。
交通事故の被害者が損害賠償を受ける場合、自身が加入している保険会社が代わりに交渉してくれるわけではなく、自ら行うことになりますが、弁護士に交渉を任せる特約がつくケース(弁護士費用特約の案件)がほとんどのため、被害者の方が保険会社を通じて弁護士を紹介してもらう習慣があります。髙橋先生は生命保険会社とパイプがありましたが、このようなタイプの案件に関わっている弁護士事務所は多くないので、自分にとっても貴重な経験になりました。
今でも当時の保険会社とリレーションを保てています。
- これまでで印象に残った事案があれば教えてください
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悲しいことに死亡事故案件だったのですが、高速道路で路肩駐車していたトラックを避けようとして、車線をはみ出したら隣車線の後続車に轢かれたバイクの方がいらっしゃいました。
当初は後続車に責任なしと言われており、ご遺族の方が納得できず弁護士に相談されたのですが難しいとの判断で断られてしまったようです。
その後、私どもに相談に来られました。私には、後続車に責任が認められないのはおかしいのでは、という感覚があり、髙橋先生に相談したら「確かに」と言ってくださったので、難しい案件でしたが、やれるだけやってみようとなったのが始まりでした。
事務所の全員で検討し、根気よく調査と資料作りを重ねました。とても大変な作業でした。
実況見分調書から判明した具体的な事故状況や過去の裁判例を検討した結果、「後続車に過失が全くなかった訳ではないので、責任が全くなかったわけでもない」という論法で話を展開していった所、後続車の責任も認められるに至りました。ご遺族の方々からはだいぶ感謝されました。
- 答えの導き方はいろいろあるのですね
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法曹の世界では、判例と六法全書が弁護士全員に共通したツールです。
最高裁判例ですと明確な指針でもあり問題化する場合は少ないのですが、交通事故の場合は個別に考えていく部分があります。
損害額算定の仕方は決まっているものの、被害者の職業や収入など様々な状況で考慮事項が変わるためです。
決まり事として書いてあることを押し付けたら良し悪しが定まる世界ではないですし、紛争が絡むと感情的な話になることも多いです。
クライアントのお気持ちに沿って、なるべく気持ちが軽くなるような答えを見つけたいと思っていますし、一方で見通しが厳しい場合ははっきりお伝えして、選択肢として色々考えられることを依頼者のご様子を見ながら言い方も思案してご提案します。
04.弁護士法人
オーシャンでの仕事
- 現在の弁護士法人オーシャンになった経緯をお聞かせください
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髙橋先生が高齢になられて別事務所との合併をお考えになっていた所、梶田弁護士と出会い、引き受けてもらうことになったと聞いています。
髙橋先生は新たに合併設立となった弁護士法人オーシャンの顧問に就かれ、息子さんは独立。その時には、一期上の弁護士や同期の友人弁護士は退所していたので、私一人が新たなオーシャンに加わりました。ちょっとした転職のような気分です。
- 新しい事務所になって、雰囲気などはどう変わりましたか?
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以前は八丁堀が勤務先でしたが、事務所合併に伴う大門オフィスへの移転が2022年11月、その後の京都オフィス開設に伴い2023年4月に京都へ来ました。
新しい事務所の雰囲気を味わったのは半年程度でしたが、その間で大きな変化を感じることはなかったです。
今では月一回、事務所全体で経営会議を行い、梶田弁護士が事務所経営の話を共有してくれるので、私も京都での受注事案を増やそうという気になっています。
- 弁護士としての、金井さんのスタイルについて教えてください
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弁護士として細かい部分を含めた完成は今後のことと思っていますが、現時点では各事案を円満解決に導くことを目標にしています。
お互い譲れるところは譲って、双方が後に遺恨を残さず前向きに先を見ることができるようになってほしいと思って仕事していますし、話し合いができる人であれば、じっくり話し合いを続けて、まめにコミュニケーションを取るようにしています。事故や保険の場合、感情的になる人も多いのですが、怒っている人でもある程度時間が経てば落ち着いてきます。
連絡も手紙だけで済ませるのではなく電話や直接お会いするなどで会話を続けると、だんだんと落ち着いて提案を受け入れていただけるようになるので、コミュニケーションをよくとることが大事ですね。
05.今後の展望
- 金井さん自身は、今後の弁護士活動をどうしていきたいですか?
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私自身は、交通事故や生命保険の領域で対応事案を増やし、将来的には裁判例や判例に残るような事案を担当していければと考えています。
その分野を学んでいる弁護士や裁判官であれば「これ知ってる」と思われるようなものです。
後に残る判例というのは、今までに判断が示されなかった論点で著名な参考例を残すことだと思いますので、将来役に立つと思いますし、難しいことは承知でチャレンジしたいですね。オーシャンとしては、弁護士一人ひとりが強化したいと思っている領域があるので、各自が得意なところで結果を増やし、より強力な弁護士事務所に成長できればと考えています。
- 弁護士に向いている人、と言うのはどういう人だと思いますか?
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司法修習期間中、現役弁護士である教官から性格的に弁護士に向いていると言われたことがあるのですが、それは一喜一憂せず飄々と構える様子を見ての言葉だったようです。
さまざまな方々と接する仕事ですので、このスタンスは大事に思いますし、自分で自分を消耗させないことにもつながります。
また、法律知識や裁判例などのリサーチを根気強くできる人が望ましいと思います。
調べようと思えばどこまでも調べられる世界ですが、時間をかけながらでもコツを掴み、効率的に調べられるようになるといいと思います。梶田弁護士の仕事ぶりを見ていると、本当によく働くなと思います。
クライアント・ファーストで朝から深夜まで働いていますが、そういう体力も必要かもしれません。
- 仕事以外の時には、どんなことをするのが好きですか?
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基本的にはオンとオフの区別がつかない仕事をしていると思っていますが、最近はジムで運動して、お風呂とサウナに入る、と言う時間をつくっています。
そういうのがリラックスになっている気はしています。あと、ドラマや小説が好きで、鑑賞中は気持ちが落ち着きますね。
ストーリーを追いながら人物を見るようにしていて、相手の人となりを知ろうとしているのかもしれないです。
自分は人の話を聞くタイプなので、相手の話を遮らないように、なるべく聞き漏らしのないように接しているのですが、このような時間がその姿勢を強くしているのかもしれません。