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よくある質問(FAQ)

ハーグ条約に関するよくある質問

Q.ハーグ条約はどのような場合に適用されますか?

A.

ハーグ条約は、子ども(通常16歳未満)が一方の親などの監護者の同意なく、不法に国外に連れ去られたり、あるいは一方の親の同意のもとに国外に連れ出された場合でも、約束の期限を超えて元の常居所地に戻されない場合(留置)に適用されます。
対象は条約加盟国間での連れ去り(留置)に限られ、たとえば日本とアメリカ、フランスなどが加盟国です。
なお、条約の対象は「子どもの返還」であり、親権そのものの判断ではありません。つまり、どちらの親が親権者として適切なのかについては、ハーグ条約における裁判手続の中では判断はなされません。

Q.ハーグ条約に加盟していない国の場合はどうなりますか?

A.

加盟国以外の国へ子どもが連れ去られた場合は、ハーグ条約の手続きは使えません。
その場合は、各国の国内法や二国間協定に基づく対応、または外交ルートを通じた解決を検討する必要があります。
当事務所では、そのようなケースでも個別に最適な手続きや交渉をサポートいたします。

Q.子どもの返還請求は誰ができますか?

A.

通常は、子どもの「通常の居所(生活の拠点)」にいた親権者または監護者が返還請求を行います。

Q.返還請求が認められないケースはありますか?

A.

はい。以下のうち一つでも当てはまれば、子の返還を認めてはならないとされています。

  1. 返還申立てが、連れ去りのとき又は留置の開始時から1年を経過した後にされ、かつ、子が新たな環境に適応していること
  2. 申立人(残された親)が、連れ去りのとき又は留置の開始時に、子に対して現実に監護の権利を行使していなかったこと
  3. 申立人が、連れ去りの前もしくは留置の開始の前にこれに同意し、又は、連れ去り後もしくは留置の開始後にこれを承諾したこと
  4. 常居所地国に子を返還することによって、子の心身に害悪を及ぼすことその他子を堪え難い状況に置くこととなる重大な危険があること
    (例:申立人による子に対する虐待、連れ去った親に対するDV等)
  5. 子の年齢及び発達の程度に照らして子の意見を考慮することが適当である場合において、子が常居所地国に返還されることを拒んでいること
  6. 常居所地国に子を返還することが日本国における人権及び基本的自由の保護に関する基本原則により認められないものであること

これらの「例外事由」は条約で定められており、実際の審査では専門的な判断が求められます。

Q.返還請求の申立てに期限はありますか?

A.

はい。一般的に、連れ去りがあった日から1年以内に申立てることが望ましいとされています。
1年以上経過すると、子どもが新たな生活環境に適応したとみなされ、返還が拒否される可能性が高まります。ただし、やむを得ない事情があれば例外的に申立てが認められることもあります。

Q.返還請求にはどのくらいの期間がかかりますか?

A.

一般的に、裁判所に返還請求を申し立てた場合、裁判所は原則として6週間以内に返還の可否について決定を出すように求められています。通常の裁判や調停に比べて、審理は非常に迅速に進められます。
返還命令後に、相手方が任意の返還に応じない場合には、間接強制や強制執行の手続きが必要になりますので、時間がかかることがあります。

Q.返還請求をすると親権が自動的に戻ってきますか?

A.

いいえ。ハーグ条約は「子どもの返還」を目的としており、親権そのものの判断をするものではありません。
返還後に親権や監護権の取り扱いは、別途、各国の離婚裁判や家事手続きで決定されます。

Q.弁護士に依頼するメリットは何ですか?

A.

国際的な法律の専門知識、外国の法制度の理解、複雑な手続きの代行、海外弁護士との連携などが必要となるため、専門家の支援が非常に重要です。
適切な戦略立案と手続き対応で早期解決を目指せます。

Q.費用はどのくらいかかりますか?

A.

事案の複雑さや対応する国によって異なりますが、着手金・成功報酬の組み合わせが一般的です。
初回相談時に大まかな見積もりをご説明いたしますので、ご安心ください。

Q.どのような書類を準備すればよいですか?

A.

子どもの戸籍謄本、親権者の身分証明書、連れ去りの経緯を示す資料(航空券やメール履歴など)が主なものです。
場合によっては現地の書類も必要になるため、弁護士と相談しながら準備します。

ご相談はお早めに

ハーグ条約に基づく手続きは国際的かつ時間との戦いです。1年以内の申立てが原則となるため、早期の相談が重要です。
当事務所では、これまで多数のハーグ条約案件を取り扱い、国内外の機関との協力体制を整えて対応しています。

まずはお気軽にご相談ください。

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