外国人労務管理について
入管実務、外国人の労務管理に精通(日本でも有数の知識と経験)した弁護士が、すべてに対応します
正しい外国人雇用を通じて、安心できる労働環境と企業力を高めることをサポートします
日本では1995年以降生産年齢人口が年々減少し続けている一方で、外国人労働者の数は増加傾向にあります。
特に2012年から2016年にかけて急激に増加し、2021年10月末時点においては約173万人もの外国人労働者が在留。
新型コロナウイルスの影響で近年は増加率が落ち着いているものの、増加傾向にあることには変わらず、今後も外国人労働者数は増加が予想されています。
経営者にとって人材確保は大切な課題の一つでありますが、近年はダイバーシティ施策に向き合う社会的要請もあり、受入れる外国人労働者の生活背景や文化的慣習、また主に言語の壁から来るコミュニケーション不足などから生じる問題を極力回避し、双方にとって有意義な環境をつくる必要があります。
弁護士法人オーシャンのスタンス
私たちは、「Equality & Inclusion の実現、Quality of Life の向上」を経営ビジョンに掲げて、日々の業務に取り組んでいます。
近年、国内でもダイバーシティに関する取り組みが話題に上る状況となってきましたが、その定着度合いは限られており、特に大企業が行うことと捉えられる傾向もあります。
実際は企業規模に限らず取り組むことのできるトピックであり、中小規模の企業こそ柔軟性に優れ、経営者の決断一つで推進でき、経営環境に好影響を及ぼす可能性があります。
必要なのは、正しい知識とプロセスを持つことです。
企業の人材確保と企業成長、そして企業価値の向上を実現いただけるよう、私たちの持つ経験則、法務の専門家としての知見を通じてサポートさせていただきます
弁護士法人オーシャンの特徴
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- 豊富な経験、わかりやすい対応
- 累計100以上の国・地域からご相談いただいた
経験と実績を踏まえた、分かりやすい説明と
迅速・丁寧な対応が強みです。
専門知識を必要とする面倒な手続きはすべて
お任せいただけます。
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- 幅広い手続きに対応
- 税務・労務、契約書の作成、
ビザ申請等、付随する業務も
当事務所で取り扱っています。
渉外分野に精通した弁護士、司法書士、
行政書士が在籍しており
依頼者の幅広いリーガル・ニーズに
対応いたします
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- 外国語での直接対応
- 外国籍の方や海外在住の方が当事者となる
会社設立、商業登記、不動産登記、相続などの
手続きを取り扱っています。
日本語・英語で対応が可能です
外国人労務管理に関する私たちのご提供サービス一覧
- 1.外国人労働者の招聘・労務管理に関する手続き支援
- 外国人材の招聘 / 各種書類の作成支援
- 外国人材の労務管理(労務監査・紛争解決)
- 監理団体・登録支援機関コンサルティング
- 2.外国人労働者の就業環境・労務管理に係る
コンサルティング- 就業規定等の改訂(人権方針、行動規範の追加策定)
- コンプライアンス研修(eラーニング用教材の提供)
- 外国人雇用労務士(外労士)の業務サポート
- 人権に関連する各国法規制・経済制裁 などの情報提供
(人権NGOとの連携による助言体制の強化)
- 3.人権デューデリジェンスの実施及びコンサルティング
- 従業員アンケート調査の実施、経営陣への報告及び助言
- 会社内部通報制度の立上げ
- 従業員ホットラインの設立と対応
- 4.上記を含む顧問業務
外国人労務管理のポイント
海外在住の外国人を雇い入れる場合の手続の流れ
海外在住の外国人を雇い入れるためには、まず出入国在留管理局に対して在留資格認定証明書の交付申請を行い、在留資格認定証明書を取得するのが一般的です。在留資格認定証明書が交付されるまでの期間は、ケースバイケースですが、数か月かかることもまれではありません。
在留資格認定証明書が交付されたら、それを外国にいる当該外国人に送付します。
在留資格認定証明書を受領した外国人は、それを持って現地の日本大使館、総領事館に行き、ビザ(査証)の申請を行います。
査証(ビザ)が発給されたら、日本に入国することができます。
日本入国までの流れ
- Step-1
日本で在留資格認定証明書交付申請の手続を行う申請者を決定します。
(日本にいる外国人本人、あるいはその受入機関である会社が行います。) - Step-2
出入国在留管理局に対して在留資格認定証明書の交付申請を行います。
(申請は、申請者の居住予定地、受入会社等の所在地を管轄する地方出入国在留管理局で行います。) - Step-3
出入国在留管理局より在留資格認定証明書が交付され、日本にいる申請者に送付されます。
※交付までに数か月かかります。
なお外国人本人が日本国内にいる場合には、いったん出国することなく、現在の在留資格(短期滞在)から新たな在留資格に変更することができます。 - Step-4
在留資格認定証明書を海外にいる外国人へEMSなどの国際郵便で郵送します。
- Step-5
外国人本人が現地の日本大使館または領事館で査証の発給申請を行います。
- Step-6
査証を所持して来日します。
※なお、原則として在留資格認定証明書の交付日から3か月以内に入国する必要があります。 - Step-7
日本への上陸時に在留資格及び在留期間が決定されます。
在留資格認定証明書申請時に必要となる書類
在留資格認定証明書申請にあたっては、以下の書類を揃えて出入国在留管理局に提出する必要があります。
なお、ケースによっては、出入国在留管理局から、追加での資料の提出を求められる場合もあります。
- (1)在留資格認定証明書交付申請書
- (2)顔写真 1枚(縦4センチ、横3センチ)
- (3)返信用封筒(切手貼付、後日この封筒で許可不許可の通知がとどきます。)
- (4)所属機関との間の雇用契約書・労働条件通知書
- (5)学歴証明書(卒業証明書、在留資格によっては不要の場合もあります。)
- (6)履歴書
- (7)日本の所属機関の全部事項証明書
- (8)日本の所属機関の会社案内書(なければ、ホームページをプリントアウトしたものでも代替可能です。)
- (9)日本の所属機関の直近1年の決算書類の写し
- (10)
- ①日本の所属機関が上場企業である場合、四季報(写し)等
- ②日本の所属機関が非上場企業の場合、前年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の写し
- ③日本の所属機関が新設法人であるなどの理由により、上記のいずれも提出することができない場合、下記の書類
- 源泉徴収の免除を受ける機関の場合、外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料
- 源泉徴収の免除を受けない機関の場合、給与支払事務所等の開設届出書の写し、及び
a)直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(領収日付印のあるものの写し)
又は
b)納期の特例を受けている場合は、その承認を受けていることを明らかにする資料
不法就労になるパターン
不法就労になるパターンとしては以下の3つが考えられます。違反した場合には、雇用主も罰せられることがありますので、外国人を不法就労をさせることがないように十分注意する必要があります。
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- ①不法入国者(密入国)や超過滞在者(オーバーステイ)が働く場合
- これらの者は、そもそも日本に適法に在留する資格を有していないので、当然に雇用して、就労させることができません。
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- ②在留資格自体は有しているものの、日本で働くことが許可されていない場合
- 例えば、短期の観光目的で来日した外国人については、「短期滞在」という在留資格自体は有していますが、日本で就労することは認められておりません。このような外国人を就労させることはできません。
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- ③許可された範囲・時間を超えて業務を行わせる場合
- 在留資格を有している場合であっても、付与された在留資格で行うことを許可された業務の内容を超えた業務を行うことは許されません。
たとえば、「技能」の在留資格を有しているインド料理のコックをラーメン店の皿洗いを行わせるために雇用することはできません。
必ず、付与された在留資格の範囲内の業務を行わせる必要があります。
また、資格外活動許可を受けた留学生については、就労することができるのは週に28時間という時間的な制約があります。制約時間を超えて業務を行わせることはできません。
違反した場合の罰則
不法就労をさせたり、そのあっせんをした者については、「不法就労助長罪」という刑罰が科される場合があります。
また、不法就労をさせたり、そのあっせんをした者が外国人である場合には、退去強制の対象となります
留学、家族滞在の在留資格を有する外国人の就労時間
留学、家族滞在の在留資格を有する外国人は、資格外活動の許可を受けた場合には1週間に28時間以内の就労が認められます。
なお、留学の在留資格を有する外国人は、在籍する学校の長期休業期間中には、1日8時間まで就労することが認められます。
(家族滞在の方については、このような例外はありません。)
就労時間の制限を大きく逸脱したような場合には、在留期間の更新が認められなかったり、最悪の場合には不法就労として摘発される可能性もあるので注意する必要があります(この場合に雇用主にも刑罰が科される恐れがあることは先述の通りです)。
外国人雇用状況の届出義務
外国人労働者を雇用している事業主は、外国人を採用する際、及び、外国人が離職する際に、その氏名、在留資格などを確認し、ハローワークへ届け出ることが法令上義務づけられています。届出を怠ると30万円以下の罰金が科せられることがあります。
なお、届出の対象となるのは、「外交」「公用」以外の在留資格の外国人です。
人権デュー・デリジェンスについて
人権デュー・デリジェンスは、近年のDE&I(Diversity, Equality & Inclusion:性別や年代、国籍や価値観など、人と人の間にあるさまざまな違いを受け入れ尊重し合I、多様性を社会や組織に公平・公正に組み入れて活かすことで、成長や発展を促そうとする考え)の世界的な広がりを背景とした、企業による人権への取り組みのことを言います。
自社だけでなく取引先などにも関係するテーマであり、現代の企業にとって必須事項となりつつあります。
ビジネスにおける人権リスクとしては、一般的には以下のようなものが挙げられ、自社においてこれらのリスク有無を調べ、必要に応じリスクを抑えることが求められます。
- 不当な労働条件
- 強制労働
- 児童労働
- 長時間労働
- 各種の差別
このようなリスクが、自社内およびグループ会社や取引先も含めて存在していないか点検し、もし存在が認められた場合にはただちに是正する必要があります。
私たちは、「外国人労働者が日本において、自らの権利を守られる安全かつ公正な環境において働き生活できること」の実現に貢献するべく、人権デュー・デリジェンスにおいてもモニタリング・評価・是正へ向けた助言などのプロセスを持って経営者の皆様をサポートいたします。